「生命保険は不要」「日本は公的保障が手厚いから、入らなくていい」——インターネットでそんな意見を目にして、不安になったことはありませんか。実は、この説は一部は正しく、一部は条件つきです。大切なのは「入る・入らない」を一律で決めることではなく、自分の状況に照らして考えること。この記事では、不要説の根拠と、必要な人・そうでない人の違い、判断の手順を整理します。
この記事のポイント(3行まとめ)
- 「不要」かどうかは、家族構成・貯蓄・公的保障で決まる
- 子育て中・自営業・貯蓄が少ない方は、必要になりやすい
- 必要保障額を計算し、不足する分を貯蓄か保険で備える
なぜ「生命保険は不要」と言われるのか
不要説の主な根拠は、次の3つです。
- 公的な保障がある:健康保険や年金などにより、病気や死亡時にも一定の給付があります。
- 貯蓄で備えられる:十分な貯蓄があれば、保険料を払うより、手元に置いておくほうが合理的な場合があります。
- 保険料の総額が大きい:長く払い続けると、受け取れる金額に近づく(上回る)ことがあります。
いずれも一理あります。ただし、これらは「ある条件が満たされている人」に当てはまる話で、すべての人に当てはまるわけではありません。
公的保障でカバーされること
病気やケガ(医療費)
会社員や公務員などが加入する健康保険では、医療費の自己負担は原則3割(年齢などにより異なります)です。さらに「高額療養費制度」により、1か月の自己負担額には上限があり、上限額は年齢や所得によって決まります。一般的な収入の方で、月8万円台が目安です。(制度の内容は見直されることがあるため、最新の情報をご確認ください。)
働けないとき
会社員などが加入する健康保険には「傷病手当金」があり、病気やケガで仕事を休み、給与を受けられないときに、給与の約3分の2が、通算で最長1年6か月支給されます。ただし、自営業・フリーランスの方が加入する国民健康保険には、原則としてこの制度がありません。
万が一のとき(死亡)
国民年金・厚生年金の加入者が亡くなった場合、遺族に「遺族年金」が支給されることがあります。ただし、子のいない配偶者は遺族基礎年金を受け取れないなど、家族構成によって金額は大きく変わります。
ここがポイント
公的保障は「何もないよりずっと手厚い」ものですが、今の生活水準をそのまま維持できる金額とは限りません。不足する分を、貯蓄で賄うか、保険で備えるかを考えるのが、本来のポイントです。
それでも保険が必要になりやすいケース
- 子どもが小さい、これから教育費がかかる:万が一のとき、長期間の生活費・教育費が必要になります。
- 配偶者の収入が少ない、または専業:世帯の収入の柱を失うリスクが大きくなります。
- 住宅ローンがあり、団体信用生命保険の保障が十分でない:残された家族の住まいに影響します。
- 自営業・フリーランス:傷病手当金がなく、働けない間の収入が途絶えやすくなります。
- 貯蓄がまだ少ない時期:大きな医療費や生活費の不足を、貯蓄で埋めにくい状況です。
なお、住宅ローンの団体信用生命保険(団信)に加入していれば、万が一の際にローン残高が保障されるため、死亡保障を小さくできる場合があります。
不要・小さくできる可能性が高い人
- 独身で、扶養する家族がいない
- 十分な貯蓄・資産があり、万が一の費用を自分で賄える
- 子どもが独立し、配偶者にも十分な収入や資産がある
- 勤務先の福利厚生(団体保険・見舞金など)が手厚い
ただし、この場合でも、「医療保険やがん保険は絶対に不要」と決めつけず、保険適用外の費用(先進医療の技術料など)や、長期の療養で貯蓄がどれだけ減るかも考えておくと安心です。
必要な保障額の考え方
保険が必要かどうかは、「必要保障額」で考えると整理しやすくなります。計算の流れは次のとおりです。
必要保障額の計算式
必要保障額 = 万が一のあとに遺族に必要なお金(生活費・教育費・住居費など)− 公的保障(遺族年金など)− 貯蓄・資産・会社の給付
仮の数字で見てみましょう。
| 項目 | 金額(仮) |
|---|---|
| 遺族に必要なお金(生活費・教育費など) | 6,000万円 |
| − 公的保障(遺族年金など)の見込み | 2,500万円 |
| − 貯蓄・資産・会社の給付 | 500万円 |
| 必要保障額 | 3,000万円 |
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この例では、3,000万円が「保険などで備えたい金額」の目安になります。逆に、計算の結果が0円以下になる方は、死亡保障を持たなくてもよい可能性があります。実際の金額は、家族構成・年齢・収入・住まいによって大きく変わりますので、あくまで考え方のイメージとしてご覧ください。
判断のための3つの質問
- 自分に万が一があったら、困る人はいますか?
扶養する家族がいなければ、死亡保障の必要性は小さくなります。 - 働けなくなったとき、何か月暮らせますか?
貯蓄と、公的保障(傷病手当金など)を合わせて、生活を維持できる期間を考えます。 - 不足する分を、貯蓄と保険のどちらで備えますか?
貯蓄で備えられる自信があれば、保険は小さくても構いません。
まとめ
「生命保険は不要」という説は、貯蓄や公的保障で十分に備えられる人には当てはまります。一方で、子育て中の方、自営業の方、貯蓄がまだ少ない方などは、必要になることも多いのが実情です。大切なのは、周りの意見で「入る・入らない」を決めず、自分の必要保障額を一度計算してみることです。
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※本記事は、一般的な情報提供を目的としたもので、特定の保険商品の募集・勧誘を目的としたものではありません。
※公的制度の内容・金額は、年齢・所得・加入している制度により異なり、改正されることがあります。最新の情報は、日本年金機構・全国健康保険協会(協会けんぽ)・お住まいの市区町村などの公式情報をご確認ください。
※保険のご検討にあたっては、必ず「契約概要」「注意喚起情報」等をご確認ください。例に挙げた金額は、説明のための仮の数字です。


